肩こりと整骨院と、かなえのリセットボタン

かなえは肩こりを持て余していた。いや、肩こりがかなえを持て余していたのかもしれない。40歳のOL、独身、キャリアは申し分ない。けれども肩と首にはいつも悲鳴をあげる筋肉が居座り続け、まるで無断駐車のようだ。デスクワーク中の彼女の肩には、いつか誰かが石像を乗せていったんじゃないかと思うほどの重みがある。

「治療?何それ、おいしいの?」
友人に整骨院を勧められた時の彼女の第一声は、これだった。整骨院という言葉が、彼女にとっては未知の領域だったのだ。肩こりは悪友のような存在で、嫌いだけど切り離せない。そんな肩こりとの共存生活に終止符を打つため、かなえは整骨院という新天地に足を踏み入れることを決心する。


整骨院の扉を開けた先の世界

整骨院は予想以上に静かで、清潔だった。これはかなえが勝手に抱いていた「うるさいおじさんがいそうな場所」のイメージを覆す光景だった。施術師の穏やかな声に迎えられ、「肩こりってここまで悪化するんですね」と言われた時、かなえは少し心が和らいだ。肩こりと付き合い続けた彼女にとって、その言葉はどこか救いのように響いたのだ。

骨格矯正の施術は想像以上だった。「肩がこんなに軽くなるなんて!」彼女は驚いた。肩の重みが消えていく感覚は、まるで長年の負担を誰かがそっと取り除いてくれたようだった。そして、施術師のアドバイスは実用的だった。「姿勢を良くすれば、肩も首もきっと仲良くなりますよ。」その言葉に、彼女はふと笑顔をこぼした。


人生のリセットボタン

肩こりが少しずつ和らぐにつれ、かなえの心も軽やかになっていった。週末にカメラを再び手に取った彼女は、公園の花壇や空を撮影する。レンズ越しに見る世界は、以前とどこか違って見えた。肩こりに悩まされていたころは何かがぼんやりしていたけれど、今は鮮やかだ。

かなえは気づいた。肩こりは彼女の日常を曇らせていたけれど、整骨院はその曇りを晴らしてくれた。「人生にはリセットボタンがあるんだ」と、彼女はふと思った。そのボタンを押すために必要だったのは整骨院での治療だけではなく、一歩踏み出す勇気だったのかもしれない。

肩こりのいない毎日は快適だ。そしてその快適さは、未来への挑戦を後押ししてくれる。かなえは今、新しい趣味や人との繋がりを楽しむ中で、自分の人生を再構築している。その姿は、肩こりの重圧に押しつぶされていた頃の彼女とはまるで別人のようだった。


この記事の作成者

中西 将也

骨盤矯正や猫背矯正といった考え方にとらわれず、お客様の癖、つまり今の姿勢を活かしながら楽にしていくことができるような施術を行います!

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